日本蚕糸学雑誌
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家蚕および柞蚕雌蛾の第9神経節から派出する神経糸の切断が産卵に及ぼす影響
西村 国男降旗 則子井古田 尚子
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1959 年 28 巻 1 号 p. 10-16

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抄録

家蚕雌蛾の第9神経節から派出する神経糸の数と分布とを観察し, また家蚕雌蛾および柞蚕雌蛾のそれらを切断して産卵におよぼす影響を調査し, つぎの結果を得た。
1) 家蚕雌蛾の第9神経節から派出する神経糸の数は9対あり, その分布は柞蚕雌蛾の場合と全く同様である。
2) 輸卵管の背面を通る神経糸全部を切断したものは産卵不能となり, 輸卵管の腹面を通る神経糸全部を切断したものは, ある程度産卵を行つた。
3) 輸卵管の背面を通る神経糸のうち, 最も内側に位置する1対を切断したものは産卵不能となり, 内側から2番目の1対を切断したものは小数蛾が僅かに産卵する (家蚕蛾) か, 産卵不能 (柞蚕蛾) となり, 最も外側の1対を切断したものはかなりの産卵を行つた。
4) 輸卵管の背面を通る神経糸のうち, 右または左の片側の神経糸を切断したものは大部分の蛾が, これまたある程度産卵した。

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