1959 年 28 巻 5 号 p. 277-280
1) 家蚕の卵殻には塩酸に含まれたFeC13によつて染着する品種と染着しない品種がある。
2) 支那種および南支那種に属する多くの品種は染着し, 欧州種および日本種に属する多くの品種は染着しない。琉球種および朝鮮種には染着するものとしないものとがある。
3) 染着性は不染着性に対して優性で, F1はすべて染着し, F2において3: 1に, 戻し交雑においては1: 1に判然と分離した。
稿を終るに臨み, この研究の端緒において色々とお世話になつた愛知県蚕業試験場の苅谷場長および当時の蚕糸試験場武豊支場の尾藤支場長, また終始御助言下さつた蚕糸試験場の高見技官に対し厚く御礼を申し上げます。