1962 年 31 巻 2 号 p. 122-127
1.桑樹萎縮病の病徴は種々な徴候の複合であり, 枝条の徴候として節間の短縮に伴なう萎縮, 叢生, 葉の徴候として葉片の丸葉化, 小葉化, 全葉片ならびに支脈間の黄化, 葉片の凸出化, 弯曲ならびに枝葉の壊死が認められる。
2. 葉の病徴を縮葉性萎縮と小葉性萎縮の2つに区別できる。縮葉性萎縮は葉の黄化, 丸葉, 小葉に伴ない, 葉肉部が凸出化皺縮し特に内側に弯曲する。小葉性萎縮は切葉が丸葉となる傾向があり, 健全葉が特に小さくなり, その他の著るしい外見的特徴は見出されない。
3. 桑樹萎縮病の病状を記載する方法として次の方式を用いる。すなわち発育全条数を分母, 罹病条数を分子として表わし, その罹病条数と罹病程度によって株全体の重症, 中症, 軽症を定める。