日本蚕糸学雑誌
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鹿児島地方における桑の休眠期について
八尋 正樹
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1962 年 31 巻 6 号 p. 383-386

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抄録

この実験は鹿児島地方の桑樹の休眠期をたしかめ, 次に品種, 樹齢および枝条の伐採期を異にした場合の休眠状態を調査した。
(1) 桑樹の広義の休眠は秋期から冬期にかけて存在し, その休眠は自発的休眠期 (休眠期) と他発的休眠期 (冬眠期) に分けられる。そして休眠は9月下旬より開始されるようで10月下旬から11月下旬にかけて深い休眠に入り, 12月初旬頃より解除され始め冬眠に入り, 1月下旬以降ほとんど完全に発芽態勢が調う。
(2) 収獲一と改良早生十文字とを比較した場合, 休眠期は変らないが, 休眠の深浅に差異がみとめられた。収獲一では深く, 改良早生十文字では浅い。
(3) 樹齢を異にした場合, 休眠状態に大差をみとめなかった。
(4) 枝条を春刈, 夏刈のように伐採期を異にしても休眠状態に大差をみとめなかった。

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