日本蚕糸学雑誌
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こうじかび病菌の蚕具材内侵入に関する研究 (続報)
青木 襄児
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1962 年 31 巻 6 号 p. 378-382

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抄録

こうじかび病菌の材内侵入と材の性状との関係について検討した。
新鮮な材は菌糸の侵入が容易であり, 分生胞子も多量に形成される。
菌糸の侵入が最も容易な材種はタケ, 比較的容易なものはスギ, サクラ, マツ, 比較的困難なものはクリで, キリおよびヒノキは最も困難である。
新鮮な材ほど, またタケ, スギ, サクラ, マツなどは概して吸水性が高い。
含糖量も吸水性の場合と大体同様の傾向を示すが, かならずしも一致しない。非還元糖はタケの篩管部に著るしく, またタケの柔組織とスギの放射組織に微少ながら検出される。
蚕ぷんで汚染された材は菌糸の侵入が容易であり, 分生胞子の形成量も多い。

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