1965 年 34 巻 4 号 p. 292-294
1.水田団地を対象として, いもち病防除を目的として原粉を15%含有するセレサン石灰を2.2kg/10a散布した際に, 附近の桑園も薬剤によって汚染された。その汚染桑を用いて蚕を掃立から飼育してみた。
2.汚染の甚だしい桑園は霜降り状に薬物の付着を見たが, 葉位別に薬剤量を測定すると最上部展開葉に最も多く, 下位葉は次第に少なくなっていた。
3.これを給与された蚕はセレサン特有の中毒症状を呈して, 附近農家に続出した病蚕と全く同様の様相であることから, これら農家の場合も今次航空散布の被害であると断定した。