1968 年 37 巻 3 号 p. 195-200
北は北海道から南は屋久島までの約30個所から集められた約1,000個体のクワコ (Theophila mandarima L.) について, 血液のエステラーゼ型と酸性ホスハターゼ型を個体別に調査し, それらの地域的差異を検討した。その結果, 酸性ホスハターゼ型については近畿・東海地方を境として西では BphC 遺伝子, 東では BphD 遺伝子を有する個体の出現頻度が高いことがわかった。しかし血液のエステラーゼ型に関しては各地方によって多少の差はあるが明瞭な地域的差異は見出されなかった。