1968 年 37 巻 4 号 p. 288-294
白きょう病菌, 黄きょう病菌, および赤きょう病菌について, アミノ酸17種, アンモニア態および硝酸態窒素11種を, それぞれ窒素源として加えた合成培地での, 発育状態を比較検討した。どの菌種でも, アミノ酸としてはグルタミン酸, アスパラギン酸などが, その他の窒素源では酒石酸アンモニウム, クエン酸アンモニウム, 蓚酸アンモニウムなどが, それぞれ良い発育結果をもたらした。その他のアミノ酸では, 菌の種類によって, 発育効果に相違が認められた。一方, 各種無機態窒素の効果は, 3菌種を通じて, 同様の傾向が示された。
白きょう病菌と赤きょう病菌との培養滬液から, グルタミン酸とアスパラギン酸が, そして培養が古くなるにつれて, オルニチンも検出された。またそれらの菌体からは, グルタミン酸やアスパラギン酸を含めて, 前者で6種類, 後者では8種類のアミノ酸が, それぞれ確認された。