日本蚕糸学雑誌
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不良緒の探索理論
II. 接緒の分布関数について
嶋崎 昭典川久保 八郎高橋 修
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1975 年 44 巻 2 号 p. 83-87

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抄録

接緒回数の分布について, 以下に示すような, いくつかの結果がえられた。
注目した緒内で空接緒を含む接緒回数の変化を示す確率をP(Z=k) とおくと, これは一般に
P(Z=k)=a1p(a0+a1q)k
で示される。ここにpは有効接緒効率 (比率) でqは1-pである。a1は取り出し効率 (比率) でa0は1-a1である。またkは有効接緒が生じるまで繰かえされる接緒数である。さらに, 接緒効率
(1-λ), λ=a1pの分布f(λ) は,
f(λ)=(α+β+1)!λα(1-λ)β/α!β!
で与えられる。ここにαとβは分布のパラメータであり, λの平均値は (α+1)/(α+β+2) で, 分散は (α+1)(β+1)/(α+β+2)2(α+β+3) である。これらのことから, 工場におけるすべての接緒現象の分布P(U=k) は,
P(U=k)=(α+β+1)!(α+k)!(β+1)/α!(α+β+k+2)!
で与えられた。ここにα, βとkf(λ)での定義と同じであり, Uは接緒回数を示す確率分布である。ゆえにUの平均値は (α+1)/β, 分散は (α+1)(β+1)(α+β+1)/β2(β-1) となる。

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