1977 年 46 巻 4 号 p. 279-282
繭層の生成量の異なる多糸量系および少糸量系のカイコを用いて, 人工飼料育における5齢期の食下窒素の蚕体各組織への分配を, 窒素留存率によって比較した。5齢3日目から5日目までの期間で調べると, 食下量に対する留存率は, 絹糸腺については少糸量系に比し, 多糸量系が多く, 消化管および蚕体については, これらに大きな差がなかった。また多糸量系では絹糸腺が他組織よりも著しく多かった。消化量に対する窒素留存率も食下量の場合と同様であった。さらに飼料の窒素化合物の消化率も多糸量系の方が少糸量系より高かった。