日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
Print ISSN : 0037-2455
ISSN-L : 0037-2455
絹のベンゾイル処理による黄変抑制効果について
桑原 昂仲道 弘庄司 八千代
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 47 巻 5 号 p. 433-439

詳細
抄録
絹フィブロインのペプチド鎖中の活性基を比較的低分子のベンゾイル化合物でブロックし, 紫外線照射による黄変抑制効果について調べた。
1. 重量は, 処理濃度, 温度, 時間の増加とともに増加し水分率は, 低下することが判った。
2. 強力は, 低濃度・短時間処理では無処理より向上することが判った。
3. 紫外線照射による黄変度の変化から, 照射50時間前後までの黄変抑制にかなり効果のあることが判った。
4. 絹のベンゾイル処理による黄変抑制効果はベンゾイル尿素, o-ベンゾイル安息香酸, 塩化ベンゾイル, 過酸化ベンゾイルの順に良好で, 特に低濃度, 短時間処理が有効であることが判った。
著者関連情報
© 社団法人日本蚕糸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top