抄録
絹フィブロインのペプチド鎖中の活性基を比較的低分子のベンゾイル化合物でブロックし, 紫外線照射による黄変抑制効果について調べた。
1. 重量は, 処理濃度, 温度, 時間の増加とともに増加し水分率は, 低下することが判った。
2. 強力は, 低濃度・短時間処理では無処理より向上することが判った。
3. 紫外線照射による黄変度の変化から, 照射50時間前後までの黄変抑制にかなり効果のあることが判った。
4. 絹のベンゾイル処理による黄変抑制効果はベンゾイル尿素, o-ベンゾイル安息香酸, 塩化ベンゾイル, 過酸化ベンゾイルの順に良好で, 特に低濃度, 短時間処理が有効であることが判った。