抄録
桑とコウゾまたはハリグワとの属間接木において, 桑実生を接穂に用いた方が新梢や古条よりも接木親和性がやや高かった。更に, 接穂に用いた実生の大きさによって接木後の伸長が異なり, 第4開葉期の実生をコウゾに接木した場合は, 活着しなかったが, 接木後約10葉展開し, ハリグワに接木した場合は4葉展開した。また, 子葉展開期の実生を接穂に用いると, 異常葉が1~2葉展開した。1回目の接木には, 子葉展開期の桑実生を接穂に用い, 2回目以降は接木後30~60日目に接穂から自根を出させて伸長させた個体の先端部を用いて, コウゾまたはハリグワに反復接木すると, 接木回数の増加に伴い, 接木後の開葉数, 生存日数及び異常葉の出現率が増加する傾向が認められた。