日本蚕糸学雑誌
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桑実生に対する生長調節剤散布と開花・結実との関係
桑の世代短縮に関する研究 V
岡部 融
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1984 年 53 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

播種当年の実生 (以下当実生という) にB9, CCC, エスレル, BAを散布した結果, B9, CCCが開花に有効なことが明らかとなった。そこで, 大きさの異なるポットで養成した大, 中, 小の当年実生に対し, 8月から9月にB9, CCCの濃度別散布を2~3回実施し, これら実生の生長, 翌年2月の開花・結実及び採種した種子の発芽等を調べた。その結果, 無散布実生には開花個体は生じなかったが, B9・500~3000ppm散布実生には18~50%, CCC・100~500ppm散布実生には18~83%の開花・結実個体がみられ, 開花個体割合は枝長の長い実生に高く, 得られた種子は正常に発芽・生育した。なお, B9, CCC散布実生には伸長抑制, 節間短縮, 枝条木化の増大が観察されたが, このような実生の変化が開花を促進したものと考えられた。

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