4種類のたて糸, 2種類のよこ糸を使って基本格子, 平面重の等しい複合絹織物を試作し, 織物構造を光学的に観察して以下の知見を得た。供試した織物のように, 二次元的に同じ格子構造の場合, 原糸の違いは厚さの違い, 見掛けの比重の違いとして現われた。織物の反射像に現われる織物の凸部の図形の面積は, 織物の見掛けの比重と対応し, その形状は原糸の柔軟性によって変化した。供試織物の厚さは, 透過光の強度に比例するが, 紡績糸使いと生糸使いとでは異なる回帰線を示した。織糸間隙の透過光強度およびその変動は織目の形状, 均斉性等を表示した。したがって, 透過光分布は織物構造の情報を含み, この分布をたて, よこ糸の形状関数として, 織物構造式の展開に利用できることを推察した。