抄録
カイコ核多角体の溶解性, 蛋白質および核多角体中に存在するプロテアーゼ活性に及ぼすホルマリンの影響を調べた。ホルマリンで処理された多角体は, Na2CO3のアルカリ溶液あるいはカイコ消化液に難溶性を示した。この難溶性は, ホルマリンの主成分であるホルムアルデヒドの固定, 硬化作用によるものと考えられ, 多角体蛋白質も特異な電気泳動像を示した。また多角体にみられるプロテアーゼ活性も, ホルマリン処理により不活化された。しかしホルマリン処理多角体を長期間緩衝液に保護すると, 溶解性およびプロテアーゼ活性がある程度回復することが認められた。