抄録
発生初期卵の過冷却処理によって得られた4倍体と, これを用いて作出した3倍体の産下卵について, 卵殻の表面構造を微分干渉顕微鏡によって観察し2倍体のそれと比較した。
3倍体: 卵門部は2倍体に比べて大きく, かつ, その形態は不整であった。側面中央部は2倍体と同様に, 表面がこぶ状態を呈する綱目構造が一単位となって多数みられ, これらは盛り上がった隔壁によって取り囲まれていた。一単位の大きさは2倍体に比べて著しく大きく, また一単位内のこぶ数は2倍体に比べて著しく多かった。卵門周辺部および背面, 腹面, 後端の各中央部は, 区画された隔壁あるいはこぶ構造を示し, 隔壁相互間およびこぶ相互間の高さは, 2倍体に比べて不均一であった。
4倍体: 側面中央部は, 3倍体のそれとほぼ同様であった。しかし, このほかの部位は2倍体に比べて顕著な差異はみられなかった。