1984 年 53 巻 5 号 p. 394-397
休眠性卵に対する冷蔵浸酸処理は蟻蚕および未孵化卵の微粒子病罹病率を最も低くし, 原虫不活化効果が認められた。即時浸酸後の冷蔵および冷蔵単独処理も若干の効果があった。
非休眠卵の即時浸酸処理はその効果がなかった。48時間齢卵の冷蔵 (5℃, 30日間) および冷蔵処理卵の加温浸酸 (46℃, 15%塩酸4分間浸漬) または温湯浸漬 (46℃温湯4分間浸漬) による高温処理で罹病率が低下し, 原虫不活化効果が認められた。
冷蔵浸酸処理による卵内微粒子病原虫の不活化効果の要因は冷蔵処理が主であり, 高温処理は副次的であることが明らかになった。