1987 年 56 巻 1 号 p. 29-32
ラテックス凝集反応を用いてカイコ濃核病ウイルス (DNV) の定量を試みた。粒径0.12μmのラテックス粒子の100倍液に抗-DNV IgGを感作させ, ウイルス液と20分間反応させた後に吸光度 (A630) を測定した。精製DNVを用いたところ, 2~20μg/mlまで吸光度が増し, それより高濃度では逆に減少した。蚕体成分の混入による定量値の変化は認められなかった。また, Single radial immunodiffusion とDNV感染蚕からのDNV定量値を比較したところ, 両者間に高い相関が認められた。