日本蚕糸学雑誌
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クワに施用されたリン酸の肥料効果
土壌中のリン酸の肥効 (第2報)
北野 実藤原 春雄河野 清
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1988 年 57 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
熟畑化した桑園土壌に施用したリン酸量の相違とクワによるリン酸の肥効発現との関係について, ポット試験によって検討した。1) クワ生育量の増大に及ぼすリン酸施用量は, リン酸中量区 (P2O51.5g/ポット)>多量区 (P2O53.0g/ポット)>少量区 (P2O50.75g/ポット) の順になった。2) 施用したリン酸のクワへの肥効は, 施用後のごく短期間のうちに効果的に現れた。3) クワ地上部へのリン酸の移行量は, リン酸施用量が増すほど増加するが, その割合は施用量の増加とともに減少する。4) 土壌中の全リン酸, 無機態リン酸, 有機態リン酸及び有効態リン酸 (トルオーグ法リン酸) が豊富なときは, クワによる土壌中の含有リン酸の肥効は, 他の肥料成分 (窒素, カリ及び石灰) の量が相当強く影響した。
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