日本蚕糸学雑誌
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ESR法による絹セリシン/ポリビニルレアルレコールならびに絹セリシン/ポリビニルレピロリドン膜中でのスピンプローブ分子の運動性
塚田 益裕朝倉 哲郎吉水 広明
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1988 年 57 巻 6 号 p. 460-465

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抄録

ポリビニルアルコール (PVA) あるいはポリビニルピロリドン (PVP) を可塑剤として用い, これに絹セリシンを加えて作製したブレンド膜における, ニトロオキサイドスピンプローブ分子の運動性を, ESR法を用いて検討した。用いたスピンプローブ剤は, 4-oxo-TEMPO, 4-hydroxy-TEMPO, 4-amino-TEMPOおよび3-carbamoyl-PROXYLである。スピンプローブの運動性は, PVA膜ならびに絹セリシン/PVAブレンド膜中の方がPVPならびに絹セリシン/PVP膜中よりも低下しており, これは, 膜の含水率の違いを反映していた。3-carbamoyl-PROXYLの運動性は, PVA膜中に絹セリシンが含まれると, 特異的に低下することから, セリシンの分子側鎖とプローブのC=O(NH2)との間で水素結合が形成されていると推察された。

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