日本蚕糸学雑誌
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絹織布の接触感と接触状態
清水 義雄関口 定林 誠石川 忠古川 貴雄鳥羽 栄治近田 淳雄清水 裕子
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1988 年 57 巻 6 号 p. 519-527

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抄録

布のような繊維集合体と固体表面との間の接触状態を, 接触圧力の増加とともに観察する装置を作製し, この装置を用いて絹平織布の接触状態を測定した。一方, 絹平織布の接触感について官能検査を行い, 布の接触状態が接触感にどのような影響を与えるかを検討した。その結果,「凹凸感」,「つるつる感」,「ざらざら感」,「すべりやすさ」等の接触感は, 総接触面積やその圧力による変化および接触点の面積の度数分布とは相関がみられないが, 接触点の分布に影響されることがわかった。「暖かさ」と「かたさ」については, 今回検討した接触面積や接触の変化指数N値等の接触のパラメータとは相関がみられなかった。接触感の方向性, すなわち縦方向と横方向の違いについては, 差がほとんどみられないが, これは, 接触点の形とその向きが接触感の方向性に影響するためと考えられる。

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