日本蚕糸学雑誌
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家蚕3齢期の脱皮のタイミングに対する光条件及び栄養条件の影響
小林 淳竹田 敏柳川 弘明
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1989 年 58 巻 1 号 p. 53-59

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抄録

桑葉粉末を含まない準合成飼料で飼育した家蚕3齢幼虫の就眠・脱皮のタイミングに対する光パルス照射及び飼料中のタンパク質量とβ-シトステロール量の影響を検討した。同時に, 血液中のタンパク質量とエクジステロイド量の変動及び体重の変化も検討した。全暗条件下では, 3齢餉食後68~72時間目に血液中のエクジステロイド量と体重が, その約8時間後に就眠個体数と血液中のタンパク質量が, さらに, その20~24時間後に脱皮個体数がそれぞれピークに達した。一方, 3齢餉食後12, 36及び60時間目に与えた光パルスにより, 就眠・脱皮のピーク時期がそれぞれ4時間程度早まり, 3齢餉食後24及び48時間目の光パルスにより4時間程度遅れた。一方, 飼料中のタンパク質量とβ-シトステロール量の添加量を減らすと, 3齢経過が遅延したが, エクジステロイド分泌から脱皮に至るまでの生理的過程の進行には, ほとんど影響が認められなかった。

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