日本蚕糸学雑誌
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カイコの新突然変異, 第2, 第3紡錘形卵
清水 久仁光藤森 胡友藤巻 忠彦蒲生 卓磨
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1991 年 60 巻 1 号 p. 62-65

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抄録

カイコの卵は一般に楕円形あるいは円形に近い形をしているが, 紡錘形を呈するものも知られている。この種の突然変異形質の発現に関与する遺伝子としては紡錘形卵sp (23-22.9) 及び長形卵elp (18-16.1) などがあり, これらは劣性遺伝子で偽母性遺伝の様式に従って発現すると報告されている (高崎, 1955; 中山ら, 1988)。
著者らは1979年と1983年に蚕糸・昆虫農業技術研究所 (当時は蚕糸試験場) 遺伝育種部遺伝素材研究室において保存している蚕品種の2系統から, 紡錘形卵に酷似する変異卵を見出し, sp′及びsp-nと仮称して遺伝的分析を行い, いずれもspと複対立関係にある劣性遺伝子によって発現することを確認した。今回, これらの紡錘形卵を第2紡錘形卵及び第3紡錘形卵と命名したので, 結果の概要を報告する。

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