日本蚕糸学雑誌
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婦人用絹肌着の被服衛生学的性能
萩原 應至中野 美也子
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1991 年 60 巻 6 号 p. 480-486

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抄録

綿及び絹スリーマーと絹及びナイロンキャミソールを材料とし, これら肌着の基布の熱及び水分移動特性を明らかにすると同時に, 種々の環境下で安静時と軽運動時の被服内気候を調べ, これらの肌着の着心地・快適性について検討し, 次の結果を得た。
1. 綿試布は保温性などの熱移動特性に優れ, 絹試布は吸湿速度など水分移動特性に優れていた。
2. 各試布の初期熱流束最大値はほぼ等しく, 絹肌着にも接触冷感は認められなかった。
3. 高温中湿時において, 軽運動による発汗は肌着の吸湿温度より多いため, 被服内湿度は増加し, 被験者は蒸し暑さを感じたが, 絹肌着は吸湿速度が大きいため, 被服内湿度の上昇が比較的少なく, 綿肌着より快適であった。
4. 低温中湿時においては, 素材による被服内気候の差は認められなかった。絹試布の保温性は綿試布に劣るが, 中衣や外衣の熱遮断能が大きく寄与したものと推察された。

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© 社団法人日本蚕糸学会
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