日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
Print ISSN : 0037-2455
ISSN-L : 0037-2455
DNAハイブリダイゼーション法による Bacillus thuringiensis の家蚕殺虫活性判定
浅野 真一郎飯塚 敏彦
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 60 巻 6 号 p. 475-479

詳細
抄録

菱形の結晶タンパク質を産生する Bacillus thuringensis の20亜種を材料として, これらの菌株から抽出されたDNAと subsp. kurstaki HD-1からクローニングされた結晶タンパク質遺伝子 (cry 1-1 gene) とのドットブロットハイブリダイゼーションを行った。この結果, 家蚕殺虫活性のある10亜種のDNAにおいては, この結晶タンパク質遺伝子とのハイブリダイズが認められ, 殺虫活性のないほかの亜種ではこれが認められなかった。またこのクローンの家蚕殺虫活性に特異的な領域をプローブとしたドットブロットハイブリダイゼーションによっても同様な結果が得られた。このことから各亜種の家蚕に対する殺虫活性の強さをDNAハイブリダイゼーションにより判別することが可能であると推定された。

著者関連情報
© 社団法人日本蚕糸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top