日本蚕糸学雑誌
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人工飼料無菌飼育による年間36回の繭生産
陳 瑞英森 肇角田 素行袁 錫麟北丸 豊松原 藤好
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1992 年 61 巻 2 号 p. 172-179

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抄録

日本での周年養蚕を目的として1月から12月までに36回の人工飼料による蚕の飼育を行った。掃立は毎月3回10日間隔で1日, 10日および20日に行い, 飼育は全齢人工飼料による無菌育で, 給餌は全齢2回つまり掃立時と4齢起蚕時だけとした。その結果, 各蚕期とも幼虫の発育は良好で, 掃立から上蔟営繭までの日数は25-27日で, 全齢の減蚕歩合は約5%, 4齢起蚕に対する結繭歩合は95-97%, 健蛹歩合は94-95%であった。繭調査成績は雌雄平均で全繭重1.7-2.1g, 繭層重39-43cg, 繭層歩合21-23%, 解じょ率72-76%, 生糸量歩合19.1%, 繭糸繊度2.5d, 繭糸長1215-1370mで良好であった。以上の結果にもとづき, 日本での周年養蚕を提案し, また周年養蚕を行う場合の全齢人工飼料無菌飼育標準表を作成した。

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