市販の紫根からシコニンを抽出, 精製し, 水に対する飽和溶解度を30℃で測定した。水溶液中の吸収スペクトルに及ぼすpHの影響を調べ, その結果から分子中の2つの水酸基の解離定数を見積もった。また, メタノール溶液中で, 色素濃度を一定とし, 共存するアルミのモル比を種々に変化させて吸収スペクトルを測定し, その結果から, シコニンはアルミと5, 8-型錯体を優先的に生成すると推定した。絹フィブロイン膜をアルミ先媒染で染色し, 染色膜の吸収スペクトルを測定した結果, メタノール中と同様, 5, 8-型錯体の特徴的パターンが認められた。アルミまたはスズ (II) 先媒染で絹を染色し, 染色絹布の色をL*a*b*表色系のa*b*色度図上に示した。