高分子論文集
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一般論文
ニッケルのトリアジンチオール処理によるエポキシ接着剤との接着強度の向上
佐々木 英幸大道 渉森 邦夫
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2006 年 63 巻 2 号 p. 113-119

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抄録
ニッケルシートをトリアジンチオール化合物の水溶液中で電解重合処理し, その表面に三次元結合のトリアジンチオールポリマー被膜 (TTP被膜) を形成し, ニッケルと二液性のアミン硬化系エポキシ接着剤の接着強度向上について検討した. 電解重合処理したニッケルシートは二液性エポキシ接着剤でポリエステル布と接着し, はく離試験を行った. はく離強度は電解電位とともに向上する傾向を示し, 1.5Vでは未処理ニッケルシートに比べ平均値で約2倍の0.5kN/mの強度が得られた. しかし, ばらつきがあり必ずしも接着強度が向上しないものもあった. TTP被膜とアミン硬化剤およびエポキシ樹脂の相互作用をそれぞれ検討したところ, TTP被膜は硬化剤のアミノ基により分解し, エポキシ基とは100℃以上で化学結合を形成することがわかった. エポキシ樹脂のみを先にTTP被膜上に塗布し加熱処理を行った後に, 硬化剤を混合したエポキシ接着剤を塗布し接着すると, TTP被膜のないニッケルシートに比べ10倍以上の4.5kN/mのはく離強度が得られた.
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© 2006 公益社団法人 高分子学会
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