高分子論文集
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一般論文
空気/水界面における両親媒性ポリペプチド-PEG ジブロックコポリマー分子膜構造に与える pH の影響
安孫子 宗平田中 正剛木下 隆利
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2009 年 66 巻 4 号 p. 136-140

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抄録

二次元場における超分子構造体の構築を目的として,両親媒性ブロックコポリマー ,(LELL)4-PEG, が空気/水界面において形成する分子膜構造を,ポリペプチド部の二次構造形成の観点より検討した.(LELL)4-PEG はポリペプチド部にグルタミン酸残基を含むため,得られる分子膜は水相の pH に応答し,その膜構造が変化した.分子膜の二次構造解析から,pH 3 の場合は β-シート構造の形成が,一方 pH 10 の場合は α-ヘリックス構造の形成が確認された.とくに pH 3 で調製した分子膜はポリペプチド部の分子間水素結合により繊維状会合体を形成し,この分子膜構造は表面圧に強く依存し,膜が固体状態となる条件において著しい変化を示した.この結果は,PEG 部が水相に沈み込むことによりブラシ状構造体が形成されることで,繊維状会合体どうしの間隔が狭まり,同時にポリペプチド部の分子間水素結合が促進されることによるものと考えられる.

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© 2009 公益社団法人 高分子学会
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