親電子芳香族置換アシル化重縮合反応による芳香族ポリケトン合成における,2,2′-ジメトキシビス(1-ナフチル)(
2)のアシル受容体モノマーとしての重合反応挙動および 2,2′-ジメトキシビス(1-ナフチリレン)-6,6′-ジカルボン酸(
15)およびその酸クロリド(
16)のアシル供与体モノマーとしての重合反応挙動について,これらのモノマー分子の同族体構造を有する芳香族環集合である 2,2′-ジメトキシビフェニル(
1)とそのジカルボン酸誘導体(
11)および酸クロリド誘導体(
12)の反応挙動と比較することを通して,系統的に整理した.ビナフチル
2 のアシル受容モノマーとしての重合能はビフェニル
1 に比べて高くなく,大きな重合度のポリケトンは得られなかった.一方,ビナフチルジカルボン酸
15 およびその酸クロリド(
16)はビフェニル
1 との重縮合で中程度の重合度のポリマーを与えた.親電子芳香族置換アシル化重縮合反応による芳香族ポリケトン合成では,一般にアシル受容体モノマーの反応性が重合全体の進み易さを支配すること,トリフルオロメタンスルホン酸は広い範囲のモノマーに適用できる酸性媒介体であること,五酸化二リン-メタンスルホン酸混合物はモノマーの組合せの影響を大きく受けた重合挙動を示すことが明らかとなった.
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