抄録
キチンまたはキトサンを出発物質として,種々の条件下でフェニルイソシアネートとの反応を行うことにより,フェニルカルバメート化キチンおよびフェニルカルバメート化キトサンを合成した.得られた誘導体について NMR 測定を行い,分子構造を解析した.また NMR データに基づいて,置換度,モル置換度,側鎖伸長度を求めるための方法を提案し,これに従って誘導体中にフェニルカルバモイル基がどれだけ導入されたかを定量的に評価した.これらの解析より,キチン・キトサンのヒドロキシル基およびアミノ基がフェニルイソシアネートと反応してウレタンおよびウレアが形成されるのに加え,先に生じたウレタンおよびウレア結合部にさらにフェニルイソシアネートが作用して,アロファナートやビウレットも形成されることが明らかとなった.