高分子論文集
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一般論文
可撓性ポリシロキサン系ハードコート材料の創製
谷口 孝下山 直樹
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2010 年 67 巻 2 号 p. 68-75

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抄録
三官能性アルコキシシラン加水分解物から得られるポリシロキサン系ハードコート材料(PS 系 HC 材料と略記)は,比較的耐熱性の低いポリメチルメタクリレートなどの熱可塑性材料にも適用可能な低温条件で,高い表面硬度を有するコーティング膜を与えることが知られている.しかし,PS 系 HC 材料から得られる塗膜は可撓性が乏しく,ポリエステルフィルムなどへの適用においては巻き取り時にクラックが発生するなどの問題があった.筆者らは,この欠点を改良すべくエポキシ基を有する三官能性アルコキシシランの加水分解物とアルミニウムキレート化合物からなる可撓性ポリシロキサン系ハードコート材料(F-PS 系 HC 材料と略記)を創製した.すなわち,同一分子内にシロキサン結合とエポキシ基の開環重合によって得られるポリエーテル結合の両者をあわせ持つ三次元架橋構造とすることで表面硬度と可撓性の両立を実現した.得られた F-PS 系 HC 材料からなる塗料は良好な保存安定性を有し,かつプラスチックに適用可能な低温硬化性をも有している.また,得られた膜はシロキサン結合のみからなる塗膜に比べて,格段に優れた可撓性を有する表面硬度の高い材料であった.
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© 2010 公益社団法人 高分子学会
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