2024 年 30 巻 p. 501-506
2021-2023年度河川技術シンポジウムの流域治水に関するオーガナイズドセッション(OS)の議論を踏まえ,近年の河川技術論文集に投稿された論文をレビューし,現状の技術研究レベルと課題を取りまとめた.さらに,各流域治水の取り組みの現状などを踏まえて,今後求められる技術研究を考察した.流域治水において河川技術の役割の一つは,大雨時を含めた流域の水の動態と,河道,流域における各種対策の効果を見える化し,持続可能な発展に向けた根拠を持った議論に繋げることである.河川技術研究は河道における洪水流の動態解明のための観測,解析が進み,今後は流域に展開した取り組みが必要である.このためには,降雨から洪水までを考慮した流域スケールのマクロな水収支の枠組みの中で河道,流域で生じるミクロな水理現象を解明する必要があるため,水理,水文解析の一体とした取り組みが必要になることと,その上で発展が期待される課題を示した.