抄録
多層カーボンナノチューブ(Multi-walled carbon nanotube, MWCNT)の分散処理における形状(長さ,長さ分布,直線性),結晶状態変化および物性への影響に関して基礎的な検討を行った.まずビーズミルにより MWCNT を処理し,処理前後の MWCNT の形状評価,ラマンスペクトル測定,粉末電気抵抗測定を行うことで,MWCNT 形状,結晶状態の変化とそれに伴う MWCNT 単体の電気物性への影響について定量的評価を行った.その結果,処理前後で MWCNT の数平均長さは最大 40%減少し,それに伴い粉末体積抵抗率が最大 30%増加した.また,ビーズミル処理後の MWCNT 粉末をポリマー溶液中に加えて再分散させた分散液を用いて MWCNT/ポリマー導電薄膜を作製し,複合体中での MWCNT の分散状態と形状による物性への影響について検討した.