高分子論文集
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一般論文
マンガンポルフィリン錯体導入ニオソームの調製と抗酸化活性評価
湯浅 真佐原 義純結城 りさ立石 哲也村田 英則原 泰志小島 周二
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2010 年 67 巻 2 号 p. 82-88

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抄録
癌や老化などのさまざまな疾患では,過剰な活性酸素(O2-・)の発生が深く関係している.生体内で過剰に発生した O2-・ を消去するため,生体内投与を視野に入れ,かつ,長期血中滞留性を有する新規抗酸化剤としてカチオン性マンガンポルフィリン錯体導入ニオソームを調製した.抗酸化作用を有するマンガン 5,10,15,20-テトラキス(N-2-メチルピリジル)ポルフィリン(MnT2MePyP)およびマンガン 5,10,15,20-テトラキス(S,S-4-ジメチルスルフォニオフェニル)ポルフィリン(MnT4Me2SuP)をノニオン性界面活性剤主成分(プルロニック(Pluronic)F-88/コレステロール系)のニオソームに導入した(マンガンポルフィリン/ニオソーム).調製したマンガンポルフィリン/ニオソームの構造は,動的光散乱および蛍光偏光解消法により確認した.血中投与した際の安定性は棚置き安定性試験および擬似血中滞留試験により評価した.また,抗酸化剤としての性能をストップトフロー法および動物試験により評価した.ストップトフロー法の結果より,マンガンポルフィリン/ニオソームはマンガンポルフィリン単独系とほぼ同等の高い抗酸化活性を示した.マウスを用いた動物実験の結果より,マンガンポルフィリン/ニオソームはマンガンポルフィリン錯体単独系よりも長期血中滞留性を有し,有意な抗酸化活性の向上が見られた.マンガンポルフィリン/ニオソームは抗酸化作用の DDS への応用が期待できる.
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© 2010 公益社団法人 高分子学会
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