将来の有機電子用材料の本命として,共役骨格を有する高分子の可能性が指摘されて久しい.過去 30 年ほどの間にさまざまな骨格構造を有する共役高分子材料が開発され,今もなお,絶えず新しい共役骨格の提案がなされている.骨格構造の自由度に由来する高分子材料の優位性と,規則性骨格構造を極限とする電子特性の最適化は,一見相容れない概念とも見受けられる.高分子骨格の Conformation 自由度が,電子物性とのトレードオフにおいてどこまで許容されるのか,また共役骨格固有の電子物性はどこまで期待できるのかを予測するための物性評価法をベースに,共役高分子軸のもつポテンシャルと高分子骨格構造相関について議論する.