2012 年 69 巻 11 号 p. 646-650
本研究では水溶性セルロースとして硫酸セルロースナトリウム(CSNa)を合成し,ポリウレタン樹脂の基材としてのセルロース成分の導入を目指した.硫酸セルロースナトリウム水溶液を2-ジメチルアミノエタノール,イソシアネートとしてミリオネートMR-100を用いて反応させることでポリウレタン樹脂の合成を行い,樹脂の形成についてATR-IR,固体NMRの測定により確認を行った.また,N,N-ジメチルエチレンジアミンを加えた場合にはウレア樹脂の形成が同様に確認された.さらに,DMAEの量を変化させて樹脂形成を行うことで,CSNaと相互作用するDMAEの適切な量が存在し,CSNaを基材としたポリウレタン形成に大きく関与していることが明らかとなった.