2013 年 70 巻 6 号 p. 295-299
従来の薬液を用いたレジスト除去方法に代わり,低環境負荷の新規な湿潤オゾン法を用いてノボラック系ポジ型レジストの除去を行った.湿潤オゾン方式では,レジストをオゾン分解してオゾニドにする過程とその分解生成物(オゾニド)を加水分解する過程を経て,最終的にレジストを除去する.加水分解に必要な水分量を制御するための温度差(=湿潤オゾン温度-基板温度)がレジスト除去速度に大きく影響し,最速で1.8 µm/minを得た.本方式では,オゾニドを加水分解する反応が律速段階と推測され,その反応の活性化エネルギーは28.0 kJ/molであった.一般的なアッシング方式の活性化エネルギーに比較し,10~20 kJ/mol小さいため,100°C 以下の低温でも高速にレジストを除去できたと考えられる.