高分子論文集
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総合論文
塗布印刷プロセスによる高性能タンデム有機ELデバイスの開発
千葉 貴之
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2016 年 73 巻 5 号 p. 464-474

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抄録

複数の発光ユニットと電荷発生層を直列に積層したタンデム有機ELデバイスでは,ユニット数に応じた高性能化が可能になる.塗布プロセスでは,材料の溶解性や塗布溶媒の下層への浸透を十分に考慮する必要がある.また,真空プロセスでは容易に成膜が可能なアルカリ金属や金属酸化物は,有機溶媒に難溶であるため塗布プロセスへの適用が困難である.筆者らは,塗布成膜可能な酸化亜鉛ナノ粒子を開発し,アミン系高分子材料との積層化により優れた電子注入性と溶媒浸透防止を実現した.また,強い電子アクセプター性を示すリンモリブデン酸を電荷発生層に適用し,蛍光高分子型タンデムデバイスの開発に成功した.さらに低分子リン光材料へと展開し,白色タンデムデバイスの開発に成功した.このデバイスは実用的な高輝度5000 cd/m2において,世界最高水準の外部量子効率28%を達成した.

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© 2016 公益社団法人 高分子学会
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