1957 年 14 巻 145 号 p. 219-223
第3報において硝酸繊維素アセトン系では87%付近から空孔の生成を示唆する結果を得たので, 硝酸繊維素に13%のジブチルフタレートを加えこれをアセトン溶液とし, この系につき比容積と熱膨張係数を測定した。その結果比容積の加成性からのずれは70%位から系統的に認められ, 予期した空孔充填的効果は認められなかった。また熱膨張係数はジブチルフタレート添加により重合度依存性が消失した。これらの結果からジブチルフタレートはかなり硝酸繊維素との相互作用があって溶媒的効果を示すものと推定された。