1960 年 17 巻 181 号 p. 295-300
しわ回復曲線は, 織物, 糸の曲げの回復現象であるから, 従来からある手動式織物, 糸, 繊維曲げ試験機を一定速度にて一定曲率にて曲げられるように改良し, 速度の影響を排除し, 曲げられた糸の曲げモーメントの緩和実験を行なって, 糸中の構成繊維相互の摩擦力の見かけの分布函数を求め, 第10報のクリープまたは応力緩和の際の分布函数と比較を行なった。その結果, 引張りひずみを曲げひずみに転用しえても, 引張りの際の糸中の繊維相互の摩擦力の分布函数は, 曲げの際の摩擦力の見かけの分布函数に使用しえないことがわかった。