1961 年 18 巻 200 号 p. 715-721
ポリアクリロニトリル (PAN) のジメチルホルムアミド (DMF) 溶液を加熱した際のPANの分裂崩壊について検討した.分裂はDMF中のジメチルアミンによるものと考えられ, 分裂の反応速度式はほぼds/dt=k(sf-s) なる1分子反応式により表わされる。ただしsはもとの高分子1分子あたりの切断数sfは溶液中に存在するジメチルアミンが反応し終るまでに1分子あたり切断しうる結合の数, kは反応速度定数である。分裂反応の見かけの活性化エネルギーは10, 1kcal/molである。さらに分裂反応の機構について若干の考察を行なった。