1970 年 27 巻 306 号 p. 758-762
ポリ酢酸ビニル (A) ・ポリプロピオン酸ビニル (B) ・ポリイソ酪酸ビニル (C) およびポリピバリン酸ビニル (D) を, アセトン-水混合液中でケン化した。ケン化の初速度定数および自己触媒的加速効果はA>B>C>Dの順序であった。また, アイソタクチックおよびアタクチックポリメタクリル酸メチルならびにポリイタロン酸ジエチルを還元して得られた高分子第一アルコールの酢酸エステルをケン化した。これらの高分子酢酸エステルのケン化の場合には, ポリマーの立体規則性の影響と自己触媒効果は小さかった。これらの結果に基き, 高分子エステルのケン化機構を少し考察した。