高分子の低電界における電気伝導はイオン性伝導を示す。その場合, イオンの起源, 種類, 輸送機構が重要な要因になる。そこでポリスチレン, ポリメチルメタクリレート, ポリエチレンテレフタレートについてイオンの移動に必要な最小の空孔を前報で導出した式によって求めた。その大きさはポリスチレンで0.50cm3/g, ポリメチルメタクリレートで0.23cm3/g, ポリエチレンテレフタレートで0.24cm3/gになった。これらの値は荷電担体の大きさと密接な関係にあると考えられる。さらに熱力学的な観点からその空孔形成のエネルギーと前報の基本式との関係を考察した。