高分子化學
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ポリ監化ビニル溶液に關する粘度及び滲透塵的研究
中島 章夫
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1950 年 7 巻 68 号 p. 309-321

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抄録

ポリ監化ビニルを分別してその分別試料に就き圭としてチクロヘキサノンを溶媒に用いて, 種々の温度に於ける溶液粘度及び滲透歴の測定を行い, 溶液の安定性, 溶解温度による溶液の挙動の相違, [η] の温度依存性及び熱力學的数量等に就いて検討を行い, 溶質分子の大いさ, 形態とこれ等の特性の間の關聯に就いて考察し次の結果を得た。
溶液極限粘度数 [η] は
(6)或は (3) 式のc-0の外挿値より求める事が出來る。溶解温度に依る [η] 及びμの相違は僅少であるが存在し, 105℃の溶解温度では溶質は充分屈曲出來る状態に於て溶液中に分散し, これは標準の溶液状態であると云える。重合度に依り稀釋熱は異った價を示し低重合物のFB6では員の價であるがFB1, FB3では殆ど0に等しく, これは溶質形態の重合度に依る変化或は溶媒和能の相違に帰せしめられると考えられる。(16) 式中のβ及びαに對してはFBI, FB3でβ=0, 384, a=0±10; FB6でβ=0.417, a=65±20を得た。又分子重合度Pと30℃に於けるチクロヘキサノン溶液極限粘度の間には次の闘係式が適合すると考えられる。

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