シュウ酸ジビニルを合成し, 数種の条件下でアゾビスイソブチロニトリルを用いて重合させた。塊状および比較的高濃度のベンゼン溶液中での重合では不溶性のポリマーを与えたが, 非常に希薄な溶液中 (10g/l以下) では, 可溶性ポリマーが得られた。可溶性ポリマーの赤外吸収スペクトル (IR) は環化重合がかなり起こったことを示した。これらのポリマーはアルカリ加水分解によりポリビニルアルコール (PVA) にかえた。誘導PVAのIR, 過ヨウ素酸消費量, アセタール化速度, アセチル化物の加水分解速度は, このPVAがかなりの量の頭-頭構造を有することを示した。ある種の金属イオンは, 普通PVAよりもより強固に, これらPVA試料と結合するものと考えられる。