アルキレンオキシドの重合における金属カルボン酸塩の触媒活性を比較検討するため, 種々の金属カプリル酸塩を用い, プロピレンオキシドの塊状重合を80℃で行なった。用いた12種の金属カプリル酸塩のうち, (C7H15COO) 3Fe, (C7H15COOSn) 2Oおよび (C7H15COO) 2Snが優れた重合触媒作用を示し, 活性はこの順で増大した。生成ポリマーは高分子量で結晶性部分を含むことが認められた。 (C7H15COO) 3Feおよび (C7H15COO) 2Snについて, プロピレンオキシドの重合に及ぼす重合条件の影響について詳細に研究した。また, 上記3種の触媒はブテンオキシド, スチレンオキシド, エピクロルヒドリンおよびアリルグリシジルエーテルなどの開環重合にも活性が認められた。