高分子論文集
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カルボキシメチルセルロースの電気易動度と粘度に及ぼすpHとイオン強度の影響
国府田 悦男平田 光男岩井 信次
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1975 年 32 巻 4 号 p. 235-239

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抄録

カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の電気易動度と粘度をイオン強度 (μ: 0.05, 0.1, および0.2) の異なるHCl-NaCl系, CH3COOH-CH3COONa系, Na2HPO4-KH2PO4系, およびNa2CO3-NaHCO3系の緩衝溶液を溶媒としてpH2~10の範囲で測定した. 極限電気易動度 (UC→0) と固有粘度 ([η]) のpH依存性およびその関係からpHをパラメータとして表した [η] のUC→0依存性を一定μ下で検討した. UC→0と [η] は, pH3から6付近まで急に増加し, pH7付近で最大を示し, さらに塩基性を強めるとわずかな減少を示した. また, UC→0~pH曲線と [η] ~pH曲線はμの増加によって全体的に低い値に移行した. 一方, UC→0対 [η] のプロットは直線関係によって表された. 以上の結果から, pHとμによる高分子イオンの荷電状態と広がり形態の変化を推定した.

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