γ線を30, 40Mrad室温の空気中で照射したナイロン6繊維の表面形態について検討した. 照射後, 約70℃の水を用いて抽出すると, 繊維の重量は減少し繊維表面には繊維軸とほぼ垂直方向に深さと幅のほぼ一定なクラックが生成した. 水抽出によるクラックの発生に伴い, スキンのみが繊維軸方向へ収縮し, 結晶化度の増加が観察された. クラックの発生した繊維では, スキンがコアから容易に分割することができた. 以上のような形態変化は, スキンとコアがγ線照射および水抽出に対して, 異なった挙動を示すためと考えられる.