ポリアクリルアミド (PAM) のHofmann分解における全ハロゲン, N-クロル基, アミノ基およびカルボキシル基の経時的変化を測定した. またアミノ化率に及ぼす種々の因子についても検討した. PAMのHofmann分解速度は低分子モノアミドや高分子多価アルコールのカルバモイル誘導体のそれより数百~千数百倍も大きい. 一般にアミド化合物のN-ハロゲン基は0℃では極めて安定で, 加熱しないとアミンを生成しないが, PAMの場合には0~-15℃の低温でも容易にアミンを生成する. アミノ化率は反応温度が低いほど, NaOHの濃度が高いほど増大する. 次亜ハロゲン酸塩としてはNaOClがNaOBrより有効で, アミノ化率は前者を用いる方が後者の場合より約1.7倍も大きい. PAM0.60mol/l, NaOCl0.61mol/l, NaOH4.5mol/l, 0℃, 24時間の条件でアミノ化率は約90%に達する, 副反応の主なものは, 尿素結合とカルボキシル基の生成であることを推定した.